JIS企画Vol.5

今宵限りは…

今宵限りは…

JIS企画、2年ぶりに登場!

日時
2002年8月9日〜18日
場所
本多劇場
作・演出
竹内銃一郎
キャスト
カニエ・タキオ……佐野史郎
ウエキ・シュウゾウ……岡本健一
オカダ・レンジ……加納幸和
カニエ・ハナ……中川安奈
キタノ・ミツ……清水真実
キムラ・スエオ……谷川昭一朗
コジマ・リョウカン……大森博
ストーリー
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1928年・パリ。共和祭(パリ祭)前の初夏。今はまだ無名の天才画家、ウエキのアパート。ここには、日本から放浪の旅の末にパリにたどりつき、ここに住み着いたカニエ夫妻をはじめ、それぞれの志、それぞれの事情からパリへやってきた、若い日本の芸術家たちが集まってくる。

今まさにこのアパートの居間で語り合っているのは、パリでは著名な画家、オカダとカニエの妻、ハナだ。パリで生活している日本人芸術家たちはみな一様にお金に困り、カニエ夫妻もどうやらウエキの実家からの仕送りにまで手をつけているらしいこと、パリでは一応名前が知られているオカダにしても、その妻がフランス人の男とともに旅行中であることなど、それぞれの切ない暮らしぶりが語られる。

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そこへ、日本からウエキの婚約者・ミツが訪ねて来る。彼女はいつまでたっても日本に帰ってこないウエキを連れ戻しにやってきたのだ。しかし、ウエキは肺を病みながらも、極限まで自分を追い込み、「純粋な」ものを求めてひたすら絵を描き続けており、ミツの言葉に耳をかそうとしない。失意のミツは、しだいに優しくしてくれるオカダに心惹かれてゆく。

一方、日本に子供を残して放浪の旅を続けるカニエ夫妻にも、複雑な事情があった。カニエが日本を離れたきっかけは、ハナとその若い愛人を引き離すためだったのだ。詩を書くことも忘れ、放浪しているうちにカニエは「過去のしがらみを捨て、将来を望まないということが、いまのおれを支えている」心境に達してしまっている。

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貧しさや切なさや望郷の念を越えてたくましく生きるハナはやがて、若く純粋なウエキに惹かれてゆく。それぞれの関係から生じる様々な切ない確執や葛藤は、ひと月足らずの時を経て、すべてを巻き込まずにいられないパリ祭の喧噪の中に飲み込まれてゆく……。